2017-09

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『緊張と仲良くなる、緊張を楽しむ』 - 2013.06.03 Mon


緊張。

どんな職業であれ、何歳であれ、人前に出たことがある人なら誰もが経験したことがある感情。
いやなもの、良くないものだと思っている人は多くいると思います。

まずは、緊張のいい点。
緊張状態というものは体が本能的に「よし、やるぞ!」と準備を始めてくれるので、それに伴い、血流が早く活発に流れている状態です。
そして、その「よし、やるぞ!」の強さによって、体が自然にそれに必要な分の血液の流れ、活発さを作ってくれるのです。
つまり、「うまくやりたい」「成功させたい」といった、すごく強い思いがあれば、自然に体が強い血液の流れを生み出してくれるのです。結果、強い緊張になるのです。
緊張とは、あなたがこれから立ち向かうための体が本能的に準備してくれているエネルギーなのです。

これで、緊張という物は、嫌なもの、良くないものと思わずに、仲間であったり協力してくれるものだという事がお分かり頂けたと思います。

スポーツ選手は「緊張を楽しむ」という言葉をよく使います。
体からもらったエネルギー、これを最大限に生かすことで、あなたが持っている力を十分に発揮できるのです。
せっかく体があなたの為に準備してくれたエネルギーを「失くそう」「取ろう」とすると全くの逆効果です。むしろ、そのエネルギーを使うのです。
体というものは人間の脳より賢いのです。

緊張の起こる原因の一つに「自意識」があげられます。

「自意識」とは一体なんでしょう。
自分に意識が向いているということです。

「自分は上手く出来ているだろうか?」
「今日は〇〇さんが観に来ている」
「ちゃんと間違わずに出来るだろうか?」
「ダメだなと思われていないだろうか?」
これが自意識です。

自意識を一瞬で取る方法があります。
それは、
「ある対象に100%集中すること」です。

ボクシングのタイトルマッチに初挑戦する人は試合前、緊張します。それは体がくれたエネルギーです。
何千人の前で戦い始めた時に自意識があるでしょうか?
何十台というカメラの前で戦っている時に緊張しているでしょうか?

答えはNOです。
なぜなら、彼は相手の一挙手一動に集中しているからです。

自意識を瞬時に取る方法は
「ある対象に100%集中する」です。

その対象は人物であったり、物であったり、その他に
「自分が成し遂げたい目的」というものもあります。

例えば、街中で人目をはばからず、スーツを着た男性が取り引き先の人に土下座をしてお願いしているとします。
自意識はありません。相手に集中してはいますが、一番の集中の対象は「相手に何が何でもお願いを聞いてもらう」という目的に100%集中しているのです。

例えば、非常に大きな企画のプレゼンを任された新人社員がオドオドせず、自意識を働かせないでプレゼンをやり遂げるには、「達成したい目的」を具体的に持つことです。
具体的にです。
例えば、「今日集まってくださっている方々全員の心にいかにこの企画が有益であるかを届ける」とするのもいいでしょう。
それに100%集中して、100&向かえば、自然と自意識がなくなり、体が作り出してくれたエネルギーを使えるので、エネルギッシュなスピーチになり、情熱は伝わることでしょう。もちろん、自分で本当にいいと思う企画でなければいけないし、スピーチは練習しないと十分な力を発揮できないのは言うまでもありませんが。

演技も同じように、集中の対象は自分の相手役だったり、物だったり、達成したい目的であります。

自意識が働いてしまったら、相手に集中する。100%集中する。
自分の達成したい目的に集中する、それを達成するための行動に集中することが非常に大切であり、その集中力は並のものではいけません。集中力は鍛えなければいけないのです。
演劇の用語でステージ・コンセントレーションといいます。観客の前、カメラの目の前で自意識が働かないくらいの集中力が養えるエクササイズを是非、毎日してください!!

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tori

『演劇、それは崇高な芸術』 - 2013.05.30 Thu


[演劇の持つ力]を私は強く信じています。

演劇は人の命を救うことができる。
演劇は社会を動かすことができる。
演劇は人を悲しみの渦から救い出すことができる。
演劇は苦しんでいる方々の声を代弁することができる。
演劇は生きていることが、どんなに素晴らしいかを伝えることができる。
演劇は時代を超え、国境を越え、言語を超えて、観た人を感じて動かす   ことができる。つまり、感動させることができる。
そして、
演劇は愛を伝えることが出来る。

私が演劇の世界に入ったきっかけは、一本の映画をみて非常に感動したから。愛を教えてもらったからです。
だから、広い意味でいうなら、私は愛を世の中に伝えたくて演劇の世界にいます。

こんな経験をしました。
私が演出したニール・サイモン作 『映画に出たい!』の朗読劇。
非常に素晴らしい作品です。読んだことが無い人は演劇をやっているやっていないに関わらず、読んでみて下さい。

19歳の女の子がNYからヒッチハイクと徒歩でロサンゼルスに住む3歳の時に自分を捨てた父親に会いに行くというストーリー。
たった19歳の女の子が色んな危険があることを知りつつも、ヒッチハイクでアメリカを横断する。どれだけ、父親に会いたかったか、この16年間。
ストーリーを書き始めると私の演劇に対する愛・情熱に熱が入り過ぎて永遠続いてしまいますので割愛させて頂きます。

その朗読劇を素晴らしい俳優・女優の方と作ることができ、終演後、一枚のお客様からのアンケートを見て、私は涙を抑えることが出来ませんでした。
今も、思い出しただけで涙が出てきてしまいます。

そのとても長く書いて下さったアンケートにはこう書かれていました。

「私は訳あって家族と、ずっと疎遠になっています。でも、今日の朗読劇を観て、勇気を出して家族に連絡をとろうと思いました。」

演劇という素晴らしい芸術に携わっていて本当に良かった。
本当に本当に良かった。私は心からそう思います。

演劇は崇高な芸術です。
私は演劇に最大限の敬意を払うと同時に、何よりも純粋な愛を持って、この命消えるその日まで、演劇に向かい合っていこうと思います。

演劇には2000年の歴史があります。
2000年前に演劇というものをこの世界に生み出してくれたギリシャ人、ありがとう!!そして、これからもこの素晴らしいものを引き継がせて頂きます!!

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演出家・監督の条件 - 2013.05.28 Tue


グループシアターの創設者であり、1930年代にアメリカの演劇界に『リアリズム演劇』を確立し、革命を起こした人物。演出家ハロルド・クラーマン。

彼の演出家としての、演劇人としての何十年にも及ぶ経験から「演出家に必要なこと」をこう言っています。

『演出家は、組織者でなければいけない、政治家でなければいけない、精神に関する捜査官でなければいけない、人体の分析家でなければいけない、技術者でなければいけない、創造的でなければいけない。
文学(ドラマ・葛藤)を知っておくべきであり、演技を知っておくべきであり、俳優の心理を知っておくべきであり、ビジュアルアートを知っておくべきであり、音楽を知っておくべきであり、歴史を知っておくべきであり、何よりも絶対に人間を理解していなければいけない。信頼を得ないといけない。勇気がないといけない。それら全てのことを含めて〝愛に満ち溢れた人″でなければいけない。』


また、演出についてよく言われていること。

『演出の90%はキャスティングだ!』

『自分が信じた俳優には、演出をし過ぎるな、俳優を信じろ。もし、演出家が演出家としての準備をしっかりしたならば、ストーリー、メッセージ、テーマから外れていたらすぐにわかる。その時に軌道修正すればいいだけ。』

『もし、俳優がストーリーに沿ったものに辿り着けなかったり、手に入れられない時に、演出家に導いてあげる能力がないなら、大きな大きな問題になる。大きな問題!!だから、演出家も俳優も勉強が必要なのだ!』

これはイーストウッド、エリア・カザン、ウッディ・アレンたちなどの教えです。

『自信がない演出家、監督ほど、色んなことを俳優に言う。酷い時にはやってみせる。言ってることに一貫性がない。単純に俳優を導く方法を知らないから。単純にストーリーで何をどう表現したいかをわかっていないから。どうしていいかわからないから。迷っているから。』

映画にしろ、舞台にしろ、総合芸術です。脚本を書く職人がいて、演出する職人がいて、演じる職人がいて、音響の職人がいて、照明の職人がいて、制作・宣伝の職人がいてなどなど。非常に多くのプロフェッショナルたちが一つになって出来上がる芸術です。そこに優越も、上下関係も、年齢も、一切関係ありません。
『礼儀』
『敬意』
『情熱を』
持ったうえで、それぞれの技術を合わせることに全力を注げばいいのだと思います。
その為にも、それぞれが、それぞれの技術、能力、知識を満足することなく、貪欲に、向上心をもって、毎日毎日勉強し続けることが非常に大切ではないでしょうか?

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【演技のテクニック】 - 2013.05.28 Tue

【演技のテクニック】

世界中には様々な演技のテクニックがあります。
世界中でよく知られているのはロシアの演劇の父・スタニースラフスキーシステム。
それを1930年代から実践してきたアメリカの演劇集団『グループシアター』その中にいた現在のアメリカをはじめとする演劇の形を形成した偉大な教師たち。
ハロルド・クラーマン、リー・ストラスバーグ、ロバート・ルイス、ステラ・アドラー、サンフォード・マイズナー、そして少し後に偉大な教師として現れたウタ・ハーゲン、そして、現在最も偉大な教師・演出家であるラリー・モス。他にもビル・エスパー、ラリー・シルバーバーグといった教師たち。また、ロシアのマイケル・チェーホフなど。
偉大な教師たちが、偉大なテクニックを確立してきました。
そして、今もなお世界中で実践されています。
もちろん、日本でも。。。

テクニック。。。これはBIG WORDですね。

多くの俳優、演出家、演技教師、演劇に携わる人全員が絶対に知っておかなければいけないことがあります。

『あなたがどんなテクニックを使おうと、あなたがどんなテクニックを教えようと、テクニックは観客には全く関係ない。いい演技ができればいいだけ。』

『テクニックは習慣である。テクニックが見えるという事はいい演技をしていないという事。テクニックは消えるべきもの。』

『手法を売るな!結果を売れ!』


現在、日本では【マイズナーテクニックを教えています】【ステラ・アドラーテクニックを教えています】【マイケル・チェーホフのテクニックを教えています】
と、色々ありますが、一つだけ言えることは、マイズナーテクニックはミスター・サンフォード・マイズナー以外誰も教えることは出来ません。
ステラ・アドラーのテクニックは彼女にしか教えられません。

彼らの偉大な業績にあやかって、彼らの名前を使って、自分の演技力に『ブランド』をつけようとしたり、自分の演技教師としての、学校としての『ブランド』にすることは極めて失礼であり、非常に卑怯なことです。

彼らのテクニックは勿論、演劇に関わる人間なら絶対に知っておくべきであり、知らないならできるだけ早く勉強して知るべきであり、知ろうとしないとか、知る気がないのであれば、この世界から出ていくべきであると思います。

その理由は簡単。

レゲエをやりたいと言っている人がボブ・マーリーの曲を知りたくないと言っていたら、どう思いますか?
演歌をやりたい外国人がいて北島三郎さんの曲に興味がないと言っていたら、どう思いますか?
同じことです。

勉強です!!勉強は確実に必要です!!勉強しない俳優に、先はありません。絶対にありません。
いい先生と勉強するのが大切です。日本にもいい先生は沢山います。その時、自分に必要な先生を見つけて、何年か勉強して、また、先生を見つけて勉強して。。。
そして、その勉強を通して学んだことを、実践で試して、失敗して、試して、失敗して、また勉強して、これがあなたのあなただけのテクニックが生まれるのです。
決してテクニックを売ってはいけないのです。結果を売るのです。

誰かが作った偉大なテクニックを盾にして、そのテクニックを売っている人、今すぐやめて下さい。
自分の能力、結果で勝負してください。その勇気がないなら、勉強して勇気を身に付けてください。

私もまだまだ死ぬまで日々勉強ですが、少なくとも私と同じだけ、ハロルド・クラーマン、リー・ストラスバーグ、ロバート・ルイス、ステラ・アドラー、サンフォード・マイズナー、ウタ・ハーゲン、ラリー・モス、ビル・エスパー、ラリー・シルバーバーグ、マイケル・チェーホフといった教師を勉強した人なら、私が言っている意味を分かっていただけるはずです。


アメリカを代表する名優:イーライ・ウォーラックの言葉。
『100人の俳優がいれば、100個のテクニックがある。』

自分の自分だけの自分にだけ有効なテクニックを身に付けましょう!!

全ては観客の為に。
全ては演劇という偉大な芸術の為に。

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スタニースラフスキー - 2013.05.16 Thu

ロシアの演劇の父・スタニースラフスキー。

彼の名前は日本でも良く知られていると思います。
彼は彼の人生をかけて、人間を理解し、俳優が素晴らしい演技をした時のメカニズムを分析し、それを理論化し、システムにしました。
そのシステムは彼がいたモスクワ芸術座で実践され、その演劇のリアルさに世界中は驚愕しました。
出演している全員が素晴らしい。全てがリアル。
モスクワ芸術座のアメリカでの公演を見た数名の俳優たちが集まってスタニースラフスキーシステムを研究し、実践したのが現在のアメリカのリアリズム演技を確立した集団『グループシアター』。
その中にはハロルド・クラーマン、リー・ストラスバーグ、ステラ・アドラー、ロバート・ルイス、サンフォード・マイズナー、クリフォード・オデッツ、エリア・カザンなど、アメリカの演劇史を語るうえで、彼らの名前を語らずにはアメリカの演劇を語れないといった人物が多数いました。

彼らはたった10年間だけ活動し、その後はそれぞれ指導者になったり、演出家になったり、作家になったりとそれぞれの道に進みました。1930年代あたりのことです。

彼らがアメリカの演劇界に革命を起こしました。リアリズム演劇というものを確立し、その演劇が現在でも世界のスタンダードです。
グループシアターが現れる前のアメリカの演劇は現在の日本の演劇と同じように「それらしく演じる」ことが演劇だとされていました。
『演技とは想像上の世界で真実に生きること』
このことが世界のスタンダードになったのは、約60年前。

そのスタニースラフスキーが作ったシステムは
1つの表にまとめられています。
【いい俳優である亀に必要な要素】が40項目に分けて図として書かれています。
1934年に作成されたことが記されています。

その中で項目38番に注目したいと思います。

38・『アクロバティック』

俳優に必要な要素でアクロバティック。どうしてでしょうか?

答えは『度胸・勇気』を養うためです。
ここでスタニースラフスキーが言っているのは『ビッグモーメントに飛び込む勇気』のことです。

決して、舞台に立つ、カメラの前に立つ、人にジャッジされる、演技のクラスに踏み込むのが怖い、などといった浅はかな度胸・勇気の話をしているわけではありません。
俳優である以上、舞台に立つし、カメラの前に立つ。人からジャッジされるし、演技のクラスの扉を叩くのは当たり前で、その程度の度胸がなければ、その時点で俳優とは違う道を選ぶ方がより良い人生を歩めるであろうと思います。

リアリズムの演技をしていると非常に強い感情を経験しなくてはいけない場合がよくあります。
決して「それらしく」演技をしないので、作家が書いたストーリーの中で、愛する人が目の前で殺されたら、それは本当に目の前で自分が愛する人が殺されているのです。

偉大な作家の作品には強烈な感情が生れるシーンが必ずあります。
「オセロ―」「リチャード3世」「ハムレット」などのシェイクスピア作品。
「人形の家」などのイブセン作品。
「セールスマンの死」などのアーサー・ミラー作品。
「欲望という名の列車」などのテネシー・ウィリアムズ作品。
「ウェィティング・フォー・レフティ」などのクリフォード・オデッツ作品。
「映画に出たい」などのニール・サイモン作品。
「レント」「レ・ミゼラブル」といったミュージカル作品。

どんな作品であれ、必ずビッグモーメントがあります。
それに飛び込める度胸と、飛び込んだあとの強烈な感情を扱えるしっかり訓練された能力なしでは、作家が描いているストーリーにはなりません。

まずは、度胸・勇気あってこそ。その時にしっかりと訓練された声・体・心を持ち合わせていないと作家の描いたキャラクターの大きさにはついてはいけないでしょう。

ちょっとした度胸試しをしてみるのも楽しみながら俳優として必要な要素を磨けるレッスンにもなることでしょう。
もちろん、素晴らしい俳優になるには、並外れた努力を必要とします。そして全ての努力を楽しみながら出来るか、やらなきゃいけないと思って取り組むのか、確実に大きな違いとして成長に表れてきます。

『好きこそものの上手なれ』

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プロフィール

TORI STUDIO

Author:TORI STUDIO
2010年8月、アメリカ人俳優たち、NY在住の日本人俳優たちの強い要望により、本場NYにてtori studio NYを開き演技指導を始める。2011年1月、日本でも、世界標準の演技テクニックを必要としている俳優たちの為、tori studio TOKYOを開く。それ以来、定期的に日本でもワークショップを開催したのち、2012年6月、帰国。現在、東京にて毎月クラスを開催し多くの俳優たちを指導している。

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